気まぐれなんでも日記

役には立たないけど誰かと共有したい好きなことや日々のあれこれ、考えてることを綴ります。

最近読んだ本たちの感想をひたすらゆるく語る【第八弾】

珍しく読書が捗っていて嬉しい今日この頃です。寒暖差の激しい毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。


今回取り上げるのは以下の4冊です↓


▶︎川上未映子(2014)『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)
こういう小説が読みたかったんだ、と心から実感した一冊。最後に本を閉じたとき、愛おしさと切なさで胸がいっぱいになりました。
「大きなくくりで雑にまとめることは決してしない」という信頼がこの小説にはありました。例えば「この小説において恋愛は大きな要素のひとつであることに異論はないけれど、"恋愛小説" として紹介されてほしくない……」という私の勝手なこだわりも包み込んでくれるというか、、(わかりづらくてすみません)ひとつのカテゴリにすっぽりはまる人間なんていないよね、と肯定してくれている気がしました。冬子の不器用でもどかしい、冷たくて柔らかい感性がリアルでよかったです。川上未映子さんの作品を読むたびに「内面の変化や繊細な感覚をどうしてここまで丁寧に掬えるの…!?」と驚いてしまう。うっすら透けて見える川上さんの輪郭を追いかけながら読んでいる時間がとても楽しかったです。



▶︎川上未映子(2012)『人生が用意するもの』(新潮社)
川上未映子さんのエッセイ初読了。昨年初めて『黄色い家』を読んだときに感じた「読みやすい、相性がいい」という感覚はやはり健在。プロの作家さんなのだから読ませる力を持っているのは当たり前で、これはある種私の自惚れなのかもしれない。(というかそれ以外の何物でもない)それでも何か近しいものがあるのではないかと思ってしまう。今回一番印象的だったのは東日本大震災についての文章。当時私は小学生だった(卒業式の練習を終えて帰りの会をしている最中だった)ので、「当時大人だった人」からの視点はとても新鮮だった。ここまで生活の中で想いを馳せたり精神的にキツくなったりすることは正直なかったので、これほど大きな災害でも人生のどのタイミングでの出来事なのかで、こんなに見え方が変わるんだと思った。私の親はどんな風に考え、生きていたのか聞いてみたくなった。そして今年の令和6年能登半島地震。私はもう立派な大人で、あの頃のあやふやな感覚ではなく、くっきりと向かい合っている。この感覚を忘れないことが見えない支援のひとつになると思いたい。



▶︎村田沙耶香(2016)『殺人出産』(講談社)
村田沙耶香さんの作品はいつもあっという間に読み終わってしまう。2日で読み終わったけど、実質2時間もないくらいだと思う。当たり前だと思って疑いもしない自分の死生観とか愛とか倫理が脆くなっていく感覚は村田沙耶香さんの小説を読んでいるとき顕著に現れる。生命式のときも書いたけど、人間の信念や思考が他者や社会によって徐々に侵食されていく様が本当にリアル。見えない何かから影響を受けていていることに気づかず、自分の脳みそで真っ当に考えて行動しているつもりになっている人間の描き方が抜群に上手い。頭では物語として捉えていながらも、鼻で笑えない絶妙なリアリティと深刻さがある。こちらに強い衝撃を与えながら村田沙耶香さん本人はどこか飄々としていそうなのがいい。



村上春樹(1986)『カンガルー日和』(講談社)
カンガルー日和』っていう手に取るしかないタイトルと素敵な絵の融合が美しくて思わずジャケ買いした一冊。結果、大正解だった。とっても好きでした。今から40年以上も前に小さな雑誌に連載された短編小説。誰目線だよって感じですが、まだ青さが残る文章でそれがとってもよかった。あとがきで語られていた「他人の目をあまり気にせずに、のんびりとした気持で楽しんで連載を続けることができた」というのがなんとなくわかる。村上春樹さんに対して少しハードルの高さを感じていたけど、この作品を通して完全に魅了されてしまった。スラスラと心地よい文体から気づけばノスタルジックで不思議と暖かい世界へ誘われているのがたまらない。





絶対に素敵ランチをしてやるんだ、と強い気持ちでいたのに結局時間なくて泣く泣くマックを胃に放り込んだ日。


最近自分専用のライフハックがやっと見つかりつつあります。おかげで穏やかに過ごせる日が増えてきました。例えば洗面台に立つのも嫌なとき、メイク落としシートで最低限拭き取るだけで翌朝起きたときの罪悪感がほぼなくなる、とか。この程度のレベルですが、自分のプチストレスをなくすだけでかなり気が楽になります。こうしたライフハックを少しずつ習得していくことが今年の目標にも繋がる!はず!