気まぐれなんでも日記

役には立たないけど誰かと共有したい好きなことや日々のあれこれ、考えてることを綴ります。

最近読んだ本たちの感想をひたすらゆるく語る【第六弾】

週1回更新を目標としていたのに気づけば前回の更新から丸1ヶ月。先週末から諸事情でトラブルに見舞われておりイレギュラー対応に疲れたときもありましたがなんだかんだ楽しく過ごせています。
読書熱はちゃんとふつふつと穏やかに燃えていて私の日々を支えてくれています。やっと4冊溜まったので久しぶりにこの企画です。

今回取り上げるのは以下の4冊です↓


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


▶︎伊坂幸太郎(2020) 『AX』 (KADOKAWA)
読了後涙が止まりませんでした。悲しくて美しくて愛おしい。声が漏れ出すほど泣いた(もはや嗚咽だった)ここまで感情がぶわっと溢れて抑えきれなくなった読書体験は初めてな気がします。もはや読書体験の範疇を超えている…… こういう感覚に突然襲われるから読書はやめられない。


▶︎よしもとばなな(2012) 『もしもし下北沢』 (幻冬社)
ずっと暖かい毛布に包み込まれているようでした。柔らかい空気で身を守られているような感覚。大切な人を失った人の心の動きや纒う空気感を丁寧に、かつ必要以上に感傷的にならず描いているのでスーッと穏やかに読むことができます。なんというか、全部ひらがなで書かれているような感じ。もう10年以上前、母と観た番組でスガシカオさんが「歌詞でカタカナを多用するのはなぜか」という質問を受けたときに「漢字の匂いを消している」と答えていたのを思い出しました。どことなく『キッチン』に似ているけど今回は下北沢の街への愛がひしひしと溢れ出ていてよりリアリティがある。こういう文章を書きたいし読みたい。作中には忘れたくない言葉たちがいくつもあった。でもその言葉たちをここで書き出すのはなんか違う…… 私だけの感覚として抱きしめて生きていきたい。

「ほんとうに身近な人が死んだら、あなたの小説みたいにきれいごとは言ってられないし、大人はいろんなやることがあってあなたみたいな気持ちだけでは生きられない みたいな批判を受けるが、実際にそういう状況で読んでもあまり違和感はなくむしろ癒やされた」

あとがきでよしもとばななさんご自身が語っていたこのエピソード。本当にそう。私みたいに癒される人、救われる人は確実にいる。フジ子・ヘミングさんの言葉によしえが救われたように私もよしもとばななさんに何度も救われるんだろうな。


▶︎椎名誠(2015) 『ぼくがいま、死について思うこと』 (新潮社)
人間の方が優れている、上だという価値観がないから昔の人は鳥や蛇など他の生物への転生を願ったという話が印象的だった。
「墓石の周りの雑草(生きているもの)は摘み取って(殺して)生花(人間によって殺されたもの)を供える日本の風習はおかしい」という海外の方の意見。うーん確かに…… となってしまった。亡骸の扱い、鳥葬、風葬など、死生観が如実に表れる。特に椎名さんの奥様が体験したチベット式葬儀はリアルで興味深かった。椎名さんが親しい人たちに聞いた「どんなふうに死にたいか」という問い。本当にそれぞれで面白い。全く知らない人だけど、回答の奥に人生観やその人の気配を凄く感じた。私自身は「結局死に方は選べないしわからない」という思いが強くて葬式へのこだわりもない。なんならやらなくてもいい。参列者たちの温度感の違いが不気味だと感じるときがある。墓もなんでもいいし、なくてもいい。この考えがいつか変わるときが来るのだろうか。


▶︎村田沙耶香(2019) 『生命式』 (河出書房新社)
多分合計2時間くらいで読み終わった。読み進める手が止まらない。図書館で借りてきてすぐに読んだとき、「あ、やばいすぐ読み終わっちゃう」って思ってもったいないから一旦閉じた。そこから随分経って久しぶりに開いたら半分以上あったのにあっという間に読みきってしまった。村田沙耶香さんの本を読むといつも没入感というか不思議な感覚に襲われて、読了後の満足感が本当にすごい。頭の中を覗いてみたい作家さん一位かも。常にやや不気味でウッとなるような感じなのに妙なリアルさがあってクセになる。ふいに核心を突かれて呆然としたり考えさせられたりする。完全に村田沙耶香さんのワールドにズルズルと引き込まれる。こういう読書体験個人的にかなり好き。




個人的にとても好きな一枚。


今回の4冊は個人的にかなりヒットでした。改めて読書の楽しさに浸れて最高です。相変わらず読み進めるペースは波があるしスマホをいじってしまう時間も多いけれど、読書はずっと好きなんだろうな〜〜
年内にもうもう1回この企画ができればいいけれど多分無理だ。笑