気まぐれなんでも日記

役には立たないけど誰かと共有したい好きなことや日々のあれこれ、考えてることを綴ります。

最近読んだ本たちの感想をひたすらゆるく語る【第五弾】

本当は7月中にもうひとつくらいブログを書きたかったけれど、忙しなく日々の業務を遂行していくうちに気づいたら8月になっていました。
「大胆なチリオレンジ」と「忍ばせイエロー」最近買った素敵なリップたちみたいにワクワク感を持って過ごしたいと思う今日この頃です。


今回取り上げるのは以下の4冊です↓

奇しくも作家さん同士シンメトリーになってる。


▶︎益田ミリ(2006)『女湯のできごと』(光文社)
このタイトル、手に取らずにはいられない…!私自身、銭湯によく行く方なので共感できる話ばかりでスルスル読み進めていたら借りた次の日には読み終わってしまった。多分読んでた時間は実質1,2時間くらい。銭湯の自由であったかくて気まぐれでゆるい感じが好きなんだけど、ここに載ってる話どれもそうで心地よかった。今よりももっと密で温かいやりとりに驚いたり羨ましく感じたり、、本当の意味で共同の空間だったんだなと思う。子どもの頃銭湯に行く習慣は全くなく、大人になってから足繁く通うようになった私にとって家族と銭湯が結びついた何気ない日常のエピソードがとても新鮮で素敵だった。個人的にシンパシーを感じたのが「下駄箱は44番がルーティン」ってところ。私も44、45あたりをほぼほぼ利用する。特に意味はないのだけれど妙な信念もある。


▶︎伊坂幸太郎(2006)『重力ピエロ』(新潮社)

美しい小説だった。私はこれは愛の話だと思う。もっとこの物語の本質を突いた粋な文章を書きたいけれどできない。そんな自分にもどかしさを感じつつも、それでいいんじゃないかとも思う。
春はずっとひとり独特な空気を纏っていて不可解な行動が多かったけど、それは私が他人の視点から春を見ていたからだった。終盤で春が言った「毎日だ」 それが全てを物語っていた。泉水の言う通り他人が口出ししたり憶測を述べたりする必要はない。春と泉水は "血のつながりを超えた" 信頼関係を築きながらも、それぞれの中だけで自問自答して思い悩む日々を過ごしていたのが印象的だった。それぞれのやり方で真剣に向き合っている姿は皮肉にもとても美しい。春が葛城への警告として送った写真はガンジーヒトラーに送ったけれど途中で弾かれてしまった手紙そのもので、それで良い方向に転がるとは思えなくても(春がどう思ってたかはわからない)正当な手順を踏んだうえで次の行動へ移るべきという彼なりの信念が強く感じられた。

「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」が忘れられない。


▶︎伊坂幸太郎(2013)『マリアビートル』(KADOKAWA)

めちゃくちゃ面白かった。東京発盛岡行きの東北新幹線はやての中で起こる2時間半程の攻防戦。読みやすいのに濃くて面白い。緊迫感と疾走感のバランスが心地よかった。
「答えが重要で曖昧なものな場合、人間は自力で考えて答えを出すことができない」
その前提のもと大人に「なぜ殺人をしてはいけないのか」問いかけ、その返答によってその人間の中身がどの程度か判断する王子。終始 "なんか好かない奴" なんだけど頷くしかない説得力もあった。陰で支配する人間像っぽさがある。
そんな王子と檸檬と蜜柑、それぞれが対峙する場面が痺れる。ふたりがポケットにしまっていた抽選券と小説が悲しくも美しかった。私は全登場人物の中で圧倒的に檸檬が好きです。
このブログのコメント欄でおすすめしてもらった殺し屋シリーズ、順番通りに読んだおかげでより楽しく読めた。鈴木や槿の登場に静かに興奮せざるを得ない。そして結局は「自分がいかについてない人間か」を嫌というほど知ってる七尾が残るの、なんとなくわかる気がする。


▶︎益田ミリ(2020)『考えごとをしたい旅 フィンランドシナモンロール』(幻冬社)

本屋さんや図書館で見かけては手に取り、数ページ立ち読みし、戻す、を繰り返していたこの本。間違いなく好きな内容なのはわかっていたけどなぜか気が進まず…… 多分それは「結局自分はこんなふうに過ごすことはできない」から「羨ましくなって悶々として終わるだけ」と思っていたから。でも今日はなぜか「読みたい…!」って自然と手が伸びたので借りてきました。

そして今日あっという間に読み終わりました。
読んでいて羨ましいな、今の私にはこれを実現する経済的時間的余裕はない…と後ろ向きな気持ちになることもややあったけど、益田ミリさんのように "希望から予定、予定から決定へ" すればいいだけ!できない、、と嘆いて思考停止するの一番もったいない。
内容に関しては説明の必要はなく、ただただ読んでみて!としか言えませんが、個人的に好きだった文章たち↓

みな、一番のごちそうは「太陽」という感じ。この国に、長く暗い冬があることが、逆にひしひしと伝わってくる。

彼の一生の思い出になるよう、あれこれ構図を考えつつ真剣に撮影する。こういうときのわたしは、本当にキラキラしていると思う。

サウナは苦手だ。息苦しいというのもあるし、扉が開かなくなってしまったらどうしよう… と考えると全然リラックスできないというのもある。サウナ好きの人って、精神も肉体もタフだと思う。

ここが『ジュラシック・ワールド』の舞台なら、まっさきに恐竜に食べられてしまうのはこいつらに違いない。

ちなみに私はサウナ好きです。精神と肉体がタフなのかはわかりません。




ここ数週間怒涛のように目の前のタスクを捌いていたからか、曜日感覚や月感覚がズレていました。ワークライフバランスってなんなんですかね、、今の仕事がとても好きでやりがいを感じている一方で、ゆっくり呼吸できていない感覚によく陥ります。
6月から擬態した "社会人" に慣れてきたつもりでしたがまだ余裕はないようです。自分との時間、大切な人との時間をもっと大事にしたい、です。